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《STAFF REVIEW》2/20、2/24上映『キッズ・リターン』

「神戸スポーツ映画祭!」がいよいよ開幕です。
全部で6種目(=6作品)の上映がありますが、
今回は「ボクシング映画」として選ばれた作品をレビューします。



『キッズ・リターン』。

北野武監督が描く青春映画です。
フェイバリットに挙げる人も多く、
熱狂的な支持を受けている作品として知られています。
(たしか宮藤官九郎さんや松江哲明さんも公言していたはず…
ちなみに宮藤さんは本作に出演しています。面白い役所なので探してみて下さい。)

私も『キッズ・リターン』が大好きで、すでに数回観ていますが、
何度観ても楽しめて、且つセンチメンタルな気分にも浸れる、
思い入れの強い作品のひとつです。

青春映画と聞くと、爽やかなイメージを第一に浮かべますが、
本作はそういったポジよりもネガ。青春の暗い部分がやや優っている作品だと思います。
それは将来への不安や、なすべきことが分からない焦燥、厳しい現実ですが、
それもまた青春映画と言えます。

本作の魅力はそういったところにあるのかもしれません。

主人公は不良の高校生マサルとシンジ。
(マサルを金子賢さん、シンジを安藤政信さんが演じています。)
ふたりはカツアゲをしたり、悪戯をしたりして、うだつの上がらない日々を過ごしています。

彼らの遊戯にどこか寂しさを感じる理由は、
映画の冒頭にふたりの末路が予告されることに他ありませんが、それだけではありません。

例えば、校庭で自転車を二人乗りして遊ぶシーンがはじまってすぐにあります。
二人乗りよりも、それは曲乗りと言った方がふさわしいシロモノで、
マサルがハンドルを握りながら、シンジが進行方向とは逆向きでペダルを漕ぐという
誤った共同作業により、自転車はよろめきながら進みます。

ここがオートバイではなく若さを表した自転車であることが素晴らしいと故・淀川長治さんも
仰っていましたが、車輪はグラグラと、いつ倒れてもおかしくなく、
ふたりの行く末を暗示しているようで、
マサルとシンジの笑顔とは反対に、観客である我々は暗雲を見てしまいます。

そして次に劇中では、彼らを教室の窓から眺める生徒が映されます。
ここで不良校ではなく進学校が舞台であったことが分かります。
さりげない設定ですが、マサルとシンジが落ちこぼれであることを引き立てることに一役買っています。

そんなふたりにも打ち込めるものが見つかります。それはボクシングとヤクザの世界です。
いつも一緒だったふたりは別々の道を歩んでいきます。
この辺りからどんどん光を見出していき、青春のポジティブな感情が翻って溢れて出していく展開は痛快です。

かくして北野武監督はポジとネガの両面を描きます。

両面で画とストーリーを構成させてきた映画は、それに呼応させるかのように
ふたたびラストでも相反するものを同時に描きます。

ラストに対して日本と海外でまったく正反対の反応がみられたそうですが、
それは両面を描いているからに違いありません。

(斉藤)

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元町映画館スタッフブログです。
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