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映画をつくろうとした者たちがいた。
それは決して平坦な道のりではなかった。
度重なる困難の前に、ある者は怒り、ある者は疑い、ある者は馬鹿にし、
ある者は裏切り、ある者はより輝かしい道のためにそれを捨てようとした。
自分の感情の嵐にそれぞれが翻弄され、チームはばらばらになった。

そして結局、映画はこの世に生を受けなかった。


これは、完成しなかった映画と、関わったすべての人の物語だ。


売れない自主映画監督のサワダは、友人のサナガワと一緒に作った映画でインディーズ映画祭のグランプリを獲得し、賞金の100万円でさらに大きな映画をつくろうと意気込む。そんな折、アルバイトをしている居酒屋でとある小劇団の打ち上げがあり、意気投合したサワダと劇団員は一緒に映画をつくろうと盛り上がる。売れっ子芸人やモデルもいる劇団員の顔ぶれに、サワダの夢が膨らむ。劇団員もそれぞれ、満足できない今の自分の状況を打破するかもしれないと、映画の完成に希望を抱く。ところが順調そのものに見えた映画制作は、進むにつれ徐々に暗雲が立ち込め、ついに中止してしまう…。


登場人物たちと一緒にワクワクし、大丈夫なのかとハラハラし、勝手なヤツらや狡猾な大人たちに腹を立て、歯噛みするほど悔しい思いをし、そしてラストで涙が溢れたあと、まずこう思った。

「“クソ映画”なんてものは、この世にはない」。

どんなにつまらなくても、どんなに退屈でも、1本の映画の裏にはこれだけの思いが、これだけのドラマが隠されている。私にはこの映画の登場人物が、彼らのつくる映画が、まるで地球を救うヒーローのように感じられた。面白い映画が世界を救うのではない。幾度傷を負っても立ち上がり、映画にこれだけの思いを賭けられる者たちだけが、世界を救うことができるのだ。ラストシーンで河原に駆け出すサナガワの目に光ったのは、その希望だった。

私は映画が好きだ。素晴らしい映画に出会うたび、その思いを新たにしてきた。『7s』もそうだ、というのではない。この映画は、私が長年抱え続けてきた「好き」に、果てしなく高温の“熱”を吹き込んできた。私の「好き」は、こんなにも熱い手ざわりだったのか、胸を灼くほどの激しさを持っていたのか、と気づかせてくれた。

映画を愛する人たちすべてに、この映画を観てもらいたい。自分の裡で冷えて固まって形骸化している「好き」に、もう一度ガソリンを注ぐために。長年連れ添って見飽きた伴侶と出会った頃のトキメキをリアルに再現するほどのインパクトを、私が約束する。

(mirai)

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