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『僕たちの家に帰ろう』はタイトルの通り、家までの帰路を撮った作品だ。
家に帰る。ただそれだけの行為を映画として成立させるのだから、
主人公は並々ならぬ特殊な立場にあるというわけだ。

家を目指すのはバーテルとアディカーの兄弟。
ふたりとも幼く、平均して10歳くらいだろうか。
兄バーテルは祖父の家で、弟アディカーは学校の寮で暮らしていたが、
やむを得ない事情により、親、つまり家を探す旅に出る。

子供が親を探すロードムービーと言えばいくつか頭に浮かぶ。
いずれも子供の成長物語としても体をなしており、
観客は親さながらの視線であたたかく見守る。

しかし、本作はすこし事情が違う。
バーテルとアディカーふたりの姿を見つめていると
応援する気持ちよりも、どうしても不安が勝ってしまうのだ。

理由はふたりにとっての家がすでに存在しないということに尽きる。
どういう事かというと、彼らはユグル族と呼ばれる少数民族で
〈一定の家を持たない〉遊牧を生活の糧とした民族なのだ。

ふたりは広大な砂漠を彷徨いつつも、かつて家が在った場所にたどり着く。
だがもう、そこに家はない。

この帰路に結末はあるのだろうか?
何せ水を探すのにも一苦労する不毛の土地だ。
これほど厳しいロードムービーはなかなかないだろう。

唯一の希望は旅を共にするラクダ。
ラクダは水を見つけるのが巧い。過酷な環境に順応するように身につけた能力か。
この特性だけを頼りに、映画は見えない家に向かってゆっくりと進む。

フィナーレ、家よりも中国という「国」が見えてくるという仕掛けには驚いた。

(斉藤)
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