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《STAFF REVIEW》11/7公開 『バレエボーイズ』 その②


※日本版の予告編とは異なるシーンを多く使っているフランス版予告編です。



ほかのすべてを犠牲にできるほど、何かに打ち込む。
目標から片時も目を逸らさず、まっすぐにそこを目指してゆく。


飽きっぽく怠け者でこの世で最も好きな場所は布団の中という私には、
『バレエボーイズ』の少年たちが眩しい。眩しくて仕方がない。
彼らは漫画の中の人物のようにキラキラと輝いている。
キラキラの効果線まではっきりと見えるようだ。

でも、そんなナマケモノ帝国の皇帝たる私でも、
映画を観ている間はキラキラに浸っていられる。
彼らの一生懸命な頑張りを、悩みを、迷いを、不安を、喜びを、
その時間は体験として共有できるのだ(1ミリも動かずに)。
映画ってなんて素晴らしいんだろう。


映画はルーカス、シーヴェルト、トルゲールの
3人の少年の12〜16歳までを追う。
同じバレエ教室に通う3人は、切磋琢磨しながらレッスンに励み、
ロッカールームでふざけ合い、時に熱いバレエ談義を交わし、
進路に悩み、そしてそれぞれの道が分かれる時を迎える。
誰が頑張った、どの子がどうなったではなく、
この映画が語りかけてくるものは“時間”だ。
「時間とは変化の単位である」と誰かが言っていたように、
彼らの4年間は様々なものを変化させた。
渦中にあっては変化の訪れには気づけないものだが、
こうやって映画として彼らの4年間と対峙してみると、
とてつもない感慨がぐわーっと涌いてくる。嗚呼。

できれば彼らの未来が光に満ちたものでありますように。
縁もゆかりもない私が極東の片隅でついそう思ってしまうように、
彼らの4年間は本当にキラキラと眩しい。
頑張っている姿はもちろん、失敗しても、油断してても、
不可逆な時間の中の彼らは間違いなく輝いている。


個人的なお気に入りはアジア系のシーヴェルトだ。
ほかの2人がどちらかと言えばシャイなタチなのに対し、
彼はいわゆるムードメーカー的な役割で仲間との時間を盛り上げる
(ルーカスとトルゲールの2人きりだと、「シーン」となりそうだ)。
元来の剽軽で明るい性格もあるのだろうが、
決してそれだけではない一面も映画では垣間見えるがために、
彼の笑顔には胸を打たれた。
そうそう、こういう子こそ胸の内には
いろんなことを抱えているんだよな、うんうん。
涙ぐみながらこの子を生涯応援しようと極東の片隅で誓う私なのだった。

(mirai)

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