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パララックス・レビュー!!

七作目 涙するまで、生きる

【あらすじ】
1954年アルジェリア。元軍人のダリュは、荒れた地に戦後すぐ学校を開き、困難な環境にある子供達の未来を明るいものにすべく奮闘していた。しかし、些細なことから自分のいとこを殺し、同族から追われることになったアラブ人、モハメドの送還に同行することになり、この国の抱える問題に直面していく…。

【見所】
繰り返される簡単な悲劇 生きる事は果たして難しい事なのか

戦争と死は同意です。が、平和と生はどうでしょうか。
60年前のアルジェリア。戦後久しい日本に生きる私たちでは、おそらく想像もつかないほどの渇きが、そこにはあります。
平和への渇望。戦争が終わってもまだ、止まない鉄の雨。
その雨は大地からあらゆるものを奪い、後には何も残しません。

国が一つになることは、物理的に可能であったとしても、人が人である限り、本質ではきっと不可能なはずです。宗教の壁、文化の壁、言葉の壁。目には見えない壁が、無数に存在するのです。

元フランス軍人のダリュと、アラブ人のモハメド。何もかも違う彼らが、死への道行を共にする。単純なストーリーながら、事は中々うまくゆきません。
ダリュはモハメドよりも人生経験が豊富で、様々な事を見聞きしてきました。一族の掟に縛られ、狭い世界で生きてきたモハメドとは対照的です。
モハメドはとことん悲観的です。ダリュに手を引かれないと歩けないほどに。

彼ら二人を待ち受けるのは、まるで天気のような死の連鎖です。
別れを告げる前に死んでいく人々。命を奪う銃声は、糸が切れるように静かで、それでいて確かな響きを放ちます。

モハメドは罪を背負っています。盗みを働こうとしたいとこを殺したという、決して軽くはない罪です。なのに、この映画に悪役は登場しません。少なくとも画面の中に全てが収まるような、そんな小さな悪は登場しません。
では何故、争いは終わらないのでしょうか。諸悪の根源は一体どこへいるのでしょうか。
行き場のない悲しみが、荒野にまた、鉄の雨を降らせます。

それでも、例え行き場がなかったとしても、歩みを止めてはならないのです。
簡単に死ぬ命だとしても、生きなくてはならないのです。

戦争と死が同意であるならば、きっと平和と生は同意であるはずなのです。
生きること、それが平和の証明となるのです。

(是木遥)
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