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物語が終わりを迎え、
エンドロールを見るともなく眺めながら
徐々に自分の周囲に戻ってくる
現実の空気を吸い込んで
ふう、とひと息。

そこでまず湧いたのが

「なんじゃ、こりゃ?」。


こんな映画なんだろうな、と
なんとなくめぐらせていた想像は
あっけなく覆されていた。

泥濘だらけの荒涼とした原野、
其処彼処で間断なく湯気のように立ち上る会話。
現実も虚構も夢もすべてがひとしく並べられて
観ている側の戸惑いを誘う。

—いま、いったい、なにが起きている?

でも。

正確な道筋を追うべく
頭の回転速度を上げようとしない方が良い。

思考のスイッチはオフにして
ぼんやりとスクリーンを眺めつづける。
高熱に浮かされて見る夢のように。
戸惑いは戸惑いのままで。

そうするとなんだか、
自分が霊魂みたいにふわふわと浮いて
映画のなかを漂っているような気がするのだ。

不安と恐怖でどんどん壊れてゆく医者、
歪んで荒れてゆく心象風景。
その吐く息の熱さ。
聡明で美しい妻の手の冷たさ。
野良犬の獣くさい匂い。
自転車のハンドルの感触。

感じとれるはずのないものまで感じている。

感覚ばかりの羅列になったが、
観終えるとそれらがひとつの
〈映画〉という固まりになっていることがわかる。
筋を追わずともすとんと入っている。

なんとも奇妙な、摩訶不思議な映画体験。
ロシア、おそるべし。

この鑑賞後感はほかにないと思う。
大好きです。

(mirai)

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