上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
台風も過ぎ去り、お天気も晴々。
ジャック・タチ映画祭もいよいよ後半戦ですね!
そんな中、映画祭をもっと盛り上げるため、
そしてタチの魅力をもっと知るための特別企画を開催しました!
その名も「ジャック・タチ研究室」!(ワー!!パチパチパチパチ!)

音楽、デザイン、建築etc・・・ジャック・タチが大好きな研究員さんが、
タチの世界をいろんな視点から解き明かすトークショーです。
音楽家・mini studio creative代表の安井麻人さん
フランスに関する記事などをwebで発信している
FRENCH BLOOMNETの武内馨さんTatamizeさん
この三名が、今回研究員として招かれました。

トークのお供に、元町映画館ウラにあるCafe cru.特製
『ぼくの伯父さん』に登場する揚げ菓子“ベニエ”が特別販売!
さくっとした生地にたっぷりの粉砂糖、ジャムをアクセントに。これがとっても美味~!

ただいま元映2階の待合室は当館スタッフによる展示
「L' exposition de Jacques Tati」を開催中。→
タチを語り合う場所としてこれ以上ないふさわしい所。

DSCN2840a.jpg
左から武内さん、安井さん、Tatamizeさん

まずはタチとの出会いからトークショーは始まりました。

Tatamizeさんはもともと映画を専攻していた事もあり、そこで出会ったのがジャック・タチ。
『ぼくの伯父さん』や『トラフィック』に出てくるモダンで特徴的なデザインの建築物、かわいらしいフォント、見返す度に新たな要素がたくさん見つかり、彼の映画に嵌っていったと言います。
そして卒論のテーマはジャック・タチでした。

音楽家の安井さんは、昔から彼の映画はなかなか凄いぞと聞いていて、
90年の頃に、東京でやっていた彼の映画祭を見たのがきっかけでした。
何がどういいのか分からないがとにかく退屈せずに見れたことが記憶にあり、
また彼の映画の音の使い方が非常に面白かったと言います。
「ここでなぜこんな音を?ちょっとずれてない、いや音が出てない?」
後に出たDVDBOXを見返していく中でも、そういった発見がいくつもあったそうです。

この事情については武内さんからご説明が。
当時、彼の映画では同時録音で撮影はしておらず、効果音なども後付けが多くありました。
その為、ちょっとした音のズレや、現実には無い音などが取り入れられたとのこと。
タチの場合、これがとっても間が抜けててかわいらしく、そしてどんくさい。

その音だけを聞かせるために周りの要素を全て引く。その演出が潔くてよくて、また素敵なのですよね。

長編が6本ある中で安井さんは『プレイタイム』が大好き。

original.jpg
『プレイタイム』ジャック・タチが自らの集大成を目指して多額の資金を注ぎ込んだ野心作であり、フランス映画史上屈指の超大作。

前半は確実に寝てしまう!しかしその分目覚めてるみると目新しいシーンがたくさん。
これこそ何度でも見れる映画だと安井さん。

三人とも『プレイタイム』はとことん評価が割れる映画だと語ります。
ロングショットで引きの絵が多く、沢山の人々が動いている。
注意をどこに向ければいいのか解らず、一回みただけじゃ、混乱しがち。

ユロおじさんも登場するけど、『ぼくの伯父さん』や『ぼくの伯父さんの休暇』にあったような面白い事はなにもしない。ただ人々を見ているだけ。前2作を期待していくと、肩透かしをくらっちゃうかもしれない。

しかしそれでもラストはとても印象的で光るものがある。
トークショーに見にこられたお客様の中には、そのシーンに感動して泣いてしまったという方もおられました。

Tatamizeさんは映画の冒頭、空港でとある社長が飛行機から降りてきて、記者たちが一斉に群がるけど
その社長にオーラが全然無いのが面白くて好きだと言います。
目立たないようにする事をギャグの主観にするタチ、どれだけひねくれてるんだよと。
でもそれを計算して撮っているタチが、本当に凄い。

タチが徹底的にこだわりぬいたこの超大作。あなたの目にはどう映るのでしょうか。

20120617091823.jpg

お客様の中でも人気が高かったのが『ぼくの伯父さん』
のっぽで小さい帽子をかぶり、吸口の長いパイプをくわえ、レインコートとダボダボズボンを着用した無口な主人公ユロ氏は
ジャック・タチ=ユロ氏のイメージを決定付けました。

『ぼくの伯父さん』のテーマは何だろう。と語りだす三人。

古いパリの町並みと対比するように近代都市にある工場
機械的で規則的な動きの中で、おじさんは様々な問題を起こします。
その瞬間、無機質だった人間たちが慌てふためき、感情が一気に花開く。ものすごく地味なのですが。
でもそうした想定外の問題が起きることこそが、人間って面白いんだという事。

フランス人は本当に働くのが嫌いなんだとTatamizeさん。
朝の電車はぶっきらぼうでむっつりしてて、帰りの電車ではわいのわいの大騒ぎしてる。
ユロ伯父さんは、そんな人間らしい感情を引っ張りだすきっかけを作り出し、牽引する存在として見ると
すごくヒーローらしい。まぁこれといって何もしないのですが。

また、伯父さんと少年の出会いと別れ。そういったドラマの影にある、複雑だけど、いとおしい人生。
不自由に見える世界で、自由に気ままにしてる伯父さんが今でも人気がある理由は、ここにあるのかも知れませんね。

当館支配人が気になっていたのはユロおじさんの恋愛事情。
女の子がおしゃれになっている事にすぐ気づいたり、純情で可愛い。
なんだか『男はつらいよ』の寅さんみたいに見えるのだけど、実際のところどうだったのかしら。
三人とも頭をひねりましたが答えは出ず…。真相は藪の中…!(おいおい)


今回の映画祭で初めてジャック・タチを見る方、懐かしい思いから来た方も沢山いらっしゃいました。
そんな中、安井さんは大きなスクリーンで見て初めて分かった事があったと言います。
それは長編6作目の『パラード』でした。

parade-jacques-tati-25937_1.jpg
『パラード』 とあるサーカス小屋を舞台に繰り広げられるショーの模様を温かいタッチで描いたコメディ。

『パラード』は劇団の曲芸だけではなく、
円形のステージを囲むように観客席で拍手を送る人たちも写されています。
安井さんは、今回沢山のお客さんに囲まれてスクリーンで見ると、一緒に拍手を送ったり、「今の凄かったですねぇ!」と隣の人に話しかけたくなる。これはDVDで見たときとは全く違っていました。
それはただ映画見るというだけではなく、スクリーンの中に観客をひっぱりこもうとしているのがこの映画の本当の魅力だったのです。俳優に感情移入させるのではなく、映画の一部にしようとしている。それが今回初めて判ってとても面白かったとのことでした。

そんなこんなで楽しいトークショーはおしまい。
研究員の熱いトークに私もなんだかもう一度見返したくなってしまいました!ヾ(`・ω・´)ノ
それにお菓子も美味しかった-。えへへ…。

今回の映画祭、長編だけではなく彼が携わった短編7編も同時上映。その中には日本劇場初公開のものも。
この機会に全作コンプリートするのも、また見比べてみるのも面白いかも!
本日のトークショーのような三者三様の様々な見方、
新たな発見がジャック・タチの映画には沢山詰まっています。
映画を見た数年後には、あなたがジャック・タチを語っているかもしれませんね♪

いよいよ7/18まで。当館のスケジュールはこちらから→

DSCN2844a.jpg

武内さん、安井さん、Tatamizeさん
トークショーに参加してくださった皆さま、そしてユロおじさん。
ありがとうございました。

(栞)
Secret

TrackBackURL
→http://motoei.blog.fc2.com/tb.php/580-9b19ee12
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。