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9/1(日)『ベルリン・アレクサンダー広場』最終話である14話の上映後、
ファスビンダー監督をこよなく愛する石井岳龍監督(『シャニダールの花』)と
ドイツ映画研究家で本作の字幕の監修もされた渋谷哲也さんにお越しいただき
た〜っぷり1時間、本作とファスビンダーについてお話しいただきました。

当日の上映回、「もう映画館で観られる機会は二度とないかもしれないから」と
石井監督は場内でご鑑賞いただいていました。
それを受けて渋谷さんが、まずは観終わったところの石井監督の感想を聞きます。

「観るの4回目なんですが、痛快で破壊的な幻想シーンにはやっぱり圧倒されました!」
と石井監督。興奮しているというか、感じ入ったといった風情で話されます。
「この時期ファスビンダーはアルコールとドラッグで“かなりな状態”だったんですよね」
と言う石井監督に、渋谷さんが答えます。
「たしかにこの2〜3年前からクスリにどっぷりハマってましたね。
でもこの作品の半年の撮影期間はタイトなスケジュールもあり、かなり抑えられていたはず」。
そ、そうだったのか、ファスビンダー…。

約半年でこの全14話・15時間の作品を撮りあげたことに石井監督は、
「となると1時間を10日で…信じられないスピードですね」と。
さらに、本作の美術、ライティング、カメラ、すべてに隙間ない美しさがあり、
そのスピードでこの完成度の高さは相当な刺激になったと話します。
そのスピードを実現しているのはファスビンダーの緻密に計算された構図の力で、
それはもはや天才というべきもので、決して真似できない境地だと石井監督。
「“カメラアイ”(=映画力)が強い」と表現していました。
さらに「念のため、こっちからも撮っておこうか」というのがファスビンダーにはない。
その迷いのなさ、潔さ、強さが全編に漲っていると言います。
さらに渋谷さんの、「しかも予算と日数余らせて終えましたからねー」という発言に
笑いながらも、「念のため…と思っちゃうんだよなー。それがなー。ダメなんだよなー」
と繰り返す石井監督。きっとご自身のことを言っておられるのでしょう(笑)。

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渋谷さんは、ファスビンダー作品について
ストローブ=ユイレ、ゴダールの影響が見えると話します。
実際、ファスビンダーは『女と男のいる舗道』が好きだったそう。
映画が撮りたかったけど映画学校に入れず、演劇の道に進んだことで
完璧な構図をつくりあげる力を培ったのでは、と話します。
さらにファスビンダー作品の不思議な魅力として、
グリセリンを使った“いかにも嘘くさい涙”など
チープな演出を多用することも挙げています。
でもこれをギャグやカリカチュアとしてでなく、大真面目にやっている。
それが逆に嘘くさくないんだと石井監督も頷きます。

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今回劇場でどうしても観たかったのは、
ファスビンダーの重ねる“音”を聞きたかったのだと石井監督。
これが小さなモニターなどで観ているとよくわからないのだけど、
劇場で観て「あ、こんなところも!」と驚くほど良く聞けたと話します。
音の重ね方は特にこの14話で顕著ですが、実は他の回でも重ねていると渋谷さん。
この作品では出演者それぞれにテーマ曲があるのですが、
例えば6話では、ラインホルトのテーマと
まだ出てきていないミーツェのテーマが重ねられているのだそう。
細かい、そして深い!!

そしてファスビンダー作品では人物の入れ替えが可能だと渋谷さんが言うと、
「そうそう、もうね、全員ファスビンダーに見えちゃうんです!
究極の自問自答ですよね(笑)」と石井監督。

実は『ベルリン・アレクサンダー広場』は3時間くらいの映画版も構想されていて、
フランツ役をジェラール・ドパルデュー、ミーツェ役をイザベル・アジャーニで
計画していたそうです。実現はしませんでしたが、観てみたかった!

とにかく石井監督のファスビンダー監督への敬意と愛情を
たっぷり感じることができた1時間でした(ほんとにアツかった!)。
この作品の新たな面白さも発見でき、観直してみたい気になりました。
残る上映回は少ないですが、めくるめく怒濤の14話は
最終日、9/6(金)に観ることができます!
そして観られなかった方、観直したい方のためにかなり少数入荷ではありますが
DVD-BOXも販売しております。
原作小説、渋谷さんの書籍「ファスビンダー」も販売しています。
普段の元町映画館のトークでは映画の背景などを解説していただくことが多いのですが、
珍しく「シネフィルトーク」の様相を呈して何ともワクワクした夜でした。

石井監督、渋谷さん、本当にありがとうございました!
みなさん、劇場で観られる機会はもうないかもしれません。
ぜひ最終話だけでも劇場で体験してほしいです。

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(mirai)

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