上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
momoirosora_1.jpg

モノクローム映像の美しさもさることながら、
被写界深度の非常に浅い映像が印象に残る。
やや露出オーヴァー気味で
シルエットを微かに残すのみの背景に
そこだけクッキリ浮かび上がる制服姿。
それが頭でっかちで自意識過剰で視野の狭い
女子高生の生きる“世界”を
そのまま表しているかのようで。

男性監督が
女子高生を主人公にした映画を撮ると、
〈ジョシコーセー〉という存在に対する
幻想や憧れや理想像や
それらと表裏をなす過剰なリアルや
ゴダール翁的嘲笑などが
どこかに必ず立ち現れてくるように思う。
それが『ももいろそらを』には
ほんの1ミリも含まれていないことに驚いた。

登場する女子高生は
かわいくて
底が浅くて
しょーもないことが一大事で
敏感なくせにいろんなことに気づかないで
なんか隙だらけで間が抜けている。
つまり、そのへんに転がってる女子高生だ。
うーん、こんな風に(特別な思い入れなく)
女子高生を描けた男性監督が
ほかにいただろうか。

眉間にしわを寄せて口はへの字。
なんだかいつも不機嫌な表情の主人公いづみ。
不機嫌なのはカオだけじゃなくて
江戸っ子口調で毒舌吐きまくり。
近所の印刷屋のちょっぴり情けないオッサンから
「兄貴っ」なんて呼ばれ、
友だちの憧れの的お金持ちのイケメン君には
「バカ、偽善者、ア◯ルファッカー」
なんて罵詈雑言を浴びせまくる。

このいづみの言葉がユカイツーカイ!

独り言でも友だち同士のやり取りでも
オッサンとのじゃれ合いでも
イケメン君に吐く怒りの暴言でも
非常に言葉のリズムとテンポが良く、
繰り返されることでだんだん爽快に、
だんだん心地よくなってくる。
即興的でリアルだが、
よくよく練られた映画なのだと思う。

説明なんて遠くに放り投げちゃう軽やかさ、
観客に何らかの感情想起を促さない潔さ。
この映画の完成度の高さはそこに表れている。
そしてその2つを手放した作品は
今の日本映画界に、
ほとんど類を見ないのではないか?

そして今後、
ロバート・パティンソンを見るたび
『ももいろそらを』を思い出す気がする…。
(観た人にはわかる!)

(mirai)

Secret

TrackBackURL
→http://motoei.blog.fc2.com/tb.php/308-c7aa68e2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。