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フランスの喜劇王ジャック・タチが遺した幻の脚本
"FILM TATI No.4"を映画化!

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そんなニュースを目にしたのはいつだったか。

ジャック・タチをこよなく愛する私は
公開される日を今か今かと待ち焦がれていた。

そして
ひさしぶりにスクリーンで再会した彼は
パイプこそくわえてはいないものの
少し前のめり気味の姿勢は
やっぱりタチその人で、
もうただただ胸がいっぱいで。

ちがうところといえば、
自作の映画のなかでは感情をあらわすことがなく
いつでも飄々としているのに対し、
本作では「困った」顔をたくさんみせるところ。

また、
『トラフィック』さながらの交通整理(?)や
港にむけて走るポンコツ車は
『ぼくの伯父さんの休暇』を思い起こさせるし
跳ね回るホースにも見覚えが…と、
ファンにはたまらないタチ映画へのオマージュが
そこかしこに散りばめられているのもお楽しみのひとつ。

それに、なんと!

主人公タチシェフが偶然入った映画館で
スクリーンに映っていたのは『ぼくの伯父さん』!

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ユロ氏とタチシェフ氏、奇跡のご対面です。
このシーンのためだけでも劇場に足を運ぶべきですよ!

なあんてタチファン限定目線で書いておりますが、
私が思うこの映画の最大の魅力は実はそこではなく。

タチのさいごの映画『パラード』を観たときも思ったのだけれど、
彼はほんとうに演芸、ショーを愛しているのだなと。

『イリュージョニスト』の舞台は1950年代の終わり。
舞台を賑わせていた芸人たちはどんどん飽きられ、
その終焉を迎えようとしている時代だ。
ミュージック・ホールの主役は若いロックバンドに取って代わられ、
職場を失った老手品師は舞台を求めて田舎へ田舎へと移動してゆく。
そこで出会った腹話術師やピエロたちも境遇は同じで、
ついにはみな舞台人生への幕を下ろす—。

この、切なさ。

それをひとつの時代の終わりとして
悲しむべきものとして描いているのではなく、
去りゆくものへの愛情を溢れんばかりに込めていることに胸を打たれる。
タチの思いを、シルヴァン・ショメはきちんと掬っているのだ。

TVの出現によって映画は衰退の一途を辿っている。
そうも言われる現代だが、
映画の出現によって衰退を余儀なくされた
芸人たちのことも忘れてはならない。
『パラード』を、
『イリュージョニスト』を観るたびに、
ややもすれば忘れてしまいがちな
彼らへの尊敬や憧憬や愛情をもういちど呼び覚まされる。

永遠に、世代を超えて鑑賞し続けられてほしいと願う。

(mirai)

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