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作中常に、
非常に印象的なかたちで映し出される
アナの大きな黒い瞳(特に映画館での見開かれた瞳!)の中では、
まだ現実と物語、生者と死者、人間と精霊、
敵と味方、幻想と実体験の間に何の隔てもありません。

mitsubachi5.jpg

だからアナには、
たとえば人間を諸臓器に還元して説明しようとする
理科の授業には、あまり関心がもてないでいるのでしょう。

それにしても、あの学校に集まってくる大勢の子どもたちが
ロングショットの中につぎつぎに入ってくるのに、
あの瞬間アナだ!ってわれわれが気がつくの、なぜですかね…

大人の眼には見えないものが確かに見えていた時代の記憶は、
多かれ少なかれ誰にでもあります。

しかし多くの場合、分析的な言葉や陳腐な表現は
その姿をすぐに歪めてしまうので、
その経験を他人と分かち合うことはとても困難です。

「ミツバチのささやき」は、
少女の瞳の一瞬の翳りや輝き、
風景をとりまく色調の微細な時間的変化を捉えること、
つまり映画にしかできない技法を通じて
わずかにそれを可能にした稀有な芸術作品であって、
だからこそすでに半世紀近くにわたって
広く愛され続けてきたのだろうし、
これからも愛され続けていくのだろうと思います。

(堀)

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