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『ヴァージン』3人組のひとり
今泉力哉監督の新作です。

妻に先立たれて以来小説が書けなくなった
還暦前の元小説家(モト冬樹)、
その娘夫婦、息子カップル、彼を慕う売れっ子作家、
彼の行きつけのバーの人々の間には、
じつは複雑な関係、因縁があって
それがさまざまなかたちの三角関係となって
あらわれてくる…というお話。

男の人がいう男女の
「めんどくさい会話」が魅力的です。

「なんかさあ、たかし、
わたしのことあんまり好きじゃないでしょ」
「好きだって」
「うそだ」
「好きだよ」
「わたしねえ、たかしのこと好きだからわかるの」
「え、なにぃ、結婚したくないの」
「うん…したくない」
「何で」
「聞くけどさぁ、わたしが妊娠してなくても結婚した?」
「正直このタイミングではしてないよね。たぶん。」
「……」
「うん…でもあれじゃん。お金とかだってまだないしさぁ、
子どもできたから結婚ってあるでしょ。普通に」
「やっぱそうなんじゃん。妊娠したから結婚するだけで、
わたしのことは別に好きじゃないってことでしょ」
「いやだからそういうことじゃねぇじゃん。
いやこのタイミングでは結婚しなかったかなってだけで。
いずれは結婚したよ」
「絶対にうそじゃんそんなの」
「なあにぃ」

という感じ。
男女の会話というと
『ミツコ感覚』を思い出しますが
似ている部分はあります。

ある層の若者が話しているリアルな言葉を使うのは
『サウダーヂ』や窪塚洋介、伊勢谷友介と同じですが、
わりと細やかな感覚がうらに潜んでいるので、
この手の言葉が苦手な人でも
拒否感を感じることはありません。

細やかさっていうのが、おそらく今泉監督の魅力で
「今風」でありながら
テレビ的外連味や演劇的な外連味とは無縁な
丁寧な落着いた映画に仕上がっています。
『ミツコ感覚』は演劇的な外連味が
すこしぼくにはうるさかったので、
ぼくはこちらの方がすきですね。
アップの構図と引きの構図の使い分けも心地よい。

主演のモト冬樹は、役者じゃないこともあって、
「モト冬樹生誕60周年記念」という看板がついているのに、
この中にうまくはまっていないなぁと
途中まで感じていたのですが、
最後はきちんと「モト冬樹の映画」に着地していて、
なるほどーとも。

監督はまだ31歳。
いわゆる映画的な「ショット」はありませんし、
日本の監督の多くが陥る「私小説の罠」に
まだ片足を残しているようにも感じますが、
今後が楽しみですね。

(aka_kappa)

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