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ギリシアの新鋭は、
ラース・フォン・トリアーよりは真面目、
ミヒャエル・ハネケほどインテリではなく、
ウルリッヒ・ザイドル
(『ドッグ・デイズ』という映画をご記憶でしょうか?)
よりは優しい。
そして誰よりオシャレ。

しかし、私が有権者に訴えたいのは、
彼が見事この「人を嫌な気分にさせてナンボ」系監督の
仲間入りを果たした、ということだ。

まぁ、テレビでは放送できない(ご注意、本作はR18です)。

郊外の一軒家で、両親と長男、娘2人で暮らす家族。
子どもたちは、実は一度も家の敷地外へ出たことはなく、
外部とのつながりを遮断されて育っている。
家のすべての采配をふるうのは父。
年頃の長男には会社の守衛の女の子をお金で雇い、相手をさせる。
家の中には独特の言語体系があり、
悪い言葉などは別の意味を教えられる。
子どもたちが良いことをすればシールを与え、その数を競わせる。
母も何でも父の言いなりだ。
しかし、母や子どもたちはあくまでも父に従順だ。
そう、守衛の女の子が、長女の性への興味を
利用する見返りに渡したビデオを、長女が見てしまうまでは。

ビデオを見てから、長女は俄然外の世界に興味を持ち出す
(ちなみに、ビデオの中身は映画。何の映画かは
長女の行動を見ていればわかります)。
そして、「犬歯が抜けたら大人だ。外に出られる」と言う
父の言葉を信じ、とうとうある行動に出る…。

厄介なのは、父があくまでも、
すべてを家族のために「良かれ」と思ってやっていること。
映画の世界は行き過ぎだが、私たちの世界でも、
いじめ問題などがこれだけ連日報道されるなか、
「無菌状態で育てたほうがまし」と思う親はいるだろう。
しかし、この映画が悲劇で終わるように、
それではいつか破綻する。

もしかしたら、監督はマッチョな父親の権威が
失墜しつつあるこの家族に、
経済危機で破綻していく祖国をも重ねているのかもしれない。
痛烈な批判と風刺は目に痛いが、だからこそ効く。

映画の中で、父親が訓練施設に預けた犬を見舞う場面がある。
犬は、父親が呼んでも応えない。
自分の子どもたちを犬のようにしつける父親だが、
本物の犬は父親の本性を見抜いていた――
そんな皮肉なシーンが印象に残った。

(S/N)

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