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『ヴァージン』の第3話
「ふかくこの性を愛すべし」は
もう柳俊太郎の映画といって
よいのではないでしょうか。

ニュータウンらしき地区を走るバスの中で
主人公をみつめる彼の冷たくぼんやりとした目つき、
主人公の部屋のなかで服を着る時にみせる
その綺麗で長い指先をみて、
何かただならぬものを見てしまったな、
という気分になりました。

映画の中の彼は、美術館の中にある
キラリとひかる名刀のようなもので、
観る人は、その洗練された輝きに圧倒されながらも、
その洗練が人を殺すためのものであることに恐怖し、
それでも放つその魅力に抵抗することができずに
目が離せなくなってしまうのです。

脚本や演出によって作り上げられた人物の枠を
大きく越えてしまった柳俊太郎の存在は、
映画全体をいびつにしてしまう異形ではあるのですが、
むしろその異形ゆえに
映画全体の魅力が一段と高まってしまいます。

彼の魅力は、MOOSIC LAB特集の中の1作品
『nico』(今泉力哉監督)の中でも味わうことができます。
じつは、この作品では
かれはほとんど台詞をいうことがありません。
そもそも、出演時間もそれほど長くはないのです。

けれども、短い時間でも
彼の異形っぷりはぞんぶんに発揮されていて、
彼がそこに映っているというだけで、
それまで保たれていた映画のバランスは崩れさり、
映画がいびつになってしまうのです。

じつをいうと、ぼくは、
あんまり彼に話させると
映画全体が本当に崩れてしまうから
彼の台詞を削ったのではないかと勘繰ってさえいます。
それくらいこの二つの映画のなかの彼は特別なのです。

彼はひょっとしたら映画に愛された
特別な存在なのかもしれません。

とにかく、彼からは目が離せません。

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(aka_kappa)

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