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「過ぎた時間は巻き戻せない」

これはどうやら真理のようです。

まだ20年そこそこしか僕は生きていませんが、
経験から言ってどんなに強く願っても
過去に戻れたことは一度もありません。
僕の周りでそれに成功した人も
今のところ見たことがありませんし、
これからもお目にかかる機会はなさそうです。
リモコンの「◀」ボタンを押すとアラフシギ、
あの麗しき十代に若返っている、なんてことには
ならないのが人生だっちゅうことでしょうか。

でも、僕は現在の僕を形作った記憶を、
いつでも思いだすことができます。
そしてその記憶は現在の僕を形作った
大切な1ピースなのだと自覚するのです。

この映画の主人公ヴァスコは
そんな記憶を一切持ちません。
不慮の事故で記憶と両親をなくしてしまいました。
記憶を持たない彼にはつまり過去がありません。
それは同時に、
彼の現在と未来が不在である事も意味していました。
そこに現れたのが、
故郷ブルガリアに残してきた祖父バイ・ダン。
彼は祖国の社会主義体制を批判し
投獄された事もあるほどの情熱家。
そしてブルガリアでは国民的な人気を誇る
ボードゲーム「バックギャモン」の達人。

彼は盤上にサイコロを振る様に、
ヴァスコを旅に連れ出します。

生まれ故郷への、タンデム自転車二人旅。 

「サイコロの目は運と才覚次第」だと
バイ・ダンは言います。
彼は孫の記憶を取り戻す賭けに出たのでした。

帰り道はほんとうに素晴らしい景色でした。
広い大地、山、空、間違いなく故郷へ続く道、
そしてバイ・ダンの背中。
そのどれもが、かつて共産体制に振り回され
這いずり回るように祖国を離れた悲しい道とは
好対照な景色でした。
ヴァスコはペダルを漕ぎ進めるごとに、
事故以来失っていた柔らかい表情を取り戻し、
ついには記憶を取り戻します。

祖父の仕掛けた「賭け」によって
過去を取り戻した彼。

たどり着いた祖国で迎えていたのは
祖父とのバックギャモン真剣勝負。
次は彼がサイコロを振る番…

そこで起きた奇跡はぜひ劇場でご覧下さい!

過ぎた時間は巻き戻せないけれど、
過去を受け止め、自分を信じてサイコロを振る。
とにかく胸のすくような
すがすがしいハッピーエンドなこの映画。
望郷的なセンチメンタリズムに浸ることなく、
「帰る」ことをすごく前向きにとらえた映画です。
元町映画館では今週の金曜日までの
上映となっておりますので、お見逃しなく!!!

(タ平)

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