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5/24、この日に初日を迎えた映画『ダブリンの時計職人』

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映画の主人公フレッドは職を失い、さらには失業手当もありません。
ドンつまりのホームレス生活を始めます。
小さな島国の人口約600万人のうち、労働人口は約187万。
アイルランドでは失業率が2008年以降激増しています。
そもそもダブリンのあるアイルランドってどんな国?どんな歴史があるの?
そういった疑問を紐解くため、上映後アイルランド文学者である風呂本武敏先生にお越しいただき
アイルランドの近代の歴史から、現代にいたるまでの社会事情、文化についてお話頂きました。

1800年代、アイルランドの隣国、イングランド(イギリス)は中世からアイルランド各地方の豪族を支配下に置いて
徐々に植民地化していきましたが、19世紀頭にグレートブリテン王国とアイルランド王国の合併という形で、完全にイギリスの領土となりました。
内戦後の1921年の自由国の設立後、アイルランドは独立戦争をしましたが、北の地区にある6州はイギリスの統治下におかれたままでした。
当時のアイルランドは貧困と移民による人口減に苦しんでおり、これは近年に至るまで改善されなかった。
しかし1990年代に入るとアイルランド経済初とも言われるほどの経済的な活況を呈し、これはケルトの奇跡あるいはケルトの虎と呼称されました。

2008年に、その経済の開放的な特性も原因となって、アイルランドは世界経済の減速の影響を受け始めました。
不動産バブルの崩壊、銀行危機によって一段と高まり、これによって景気の後退と財政危機の時期が到来。
2010年3月のギリシャ債務問題に端を発してユーロ圏の財政懸念が高まる中、アイルランドの国債金利も高騰。
11月にはユーロに支援を受けざるえなくなり、2014年の今も経済回復の見通しは極めて不透明なのです。

一年中緑が広がっていて「エメラルドの島」という愛称で知られるアイルランド、
心温まる友情物語、というだけでなく『ダブリンの時計職人』は
こういった背景から失業者が増え続けているアイルランドの今を写しているのです。

映画『ダブリンの時計職人』は6/6まで当館にて上映中です。
スケジュールはこちらから⇒

トークショーの最後、風呂本先生とお客さんとの映画の感想会があり
皆さまとても心に残る映画であったと大いに語り合っておられました。

風呂本先生、トークショーにお越しくださった皆様
ありがとうございました。

(栞)
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今週土曜日からの上映スケジュールをお知らせします。

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5月31日(土)~6月6日(金)の上映スケジュール

『バチカンで逢いましょう』NEW
・10:30~

『アクト・オブ・キリング』
・12:40~

『ダブリンの時計職人』
・15:10~

『醒めながら見る夢』
・17:00~

『オーバー・ザ・ブルースカイ』NEW
・19:10~


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イベント情報

『アクト・オブ・キリング』スペシャルトーク決定!
これが“悪の正体”なのか――。60年代のインドネシアで密かに行われた100万人規模の大虐殺。いまも“国民的英雄”として暮らしているその実行者たちにキャメラの前で虐殺を再演させた異色のドキュメンタリー。世界を震撼させた本作の公開を記念し、インドネシア、東ティモールをフィールドに紛争後の復興のあり方などを研究している奈良県立大学の亀山恵理子さんにお越しいただき、インドネシア9・30事件や、現在にまで至るその余波などについてお話していただきます。

◎「インドネシア9・30事件と過去の痛み」
日 時:5/31(土) 12:40の回上映後
会 場:元町映画館2F
ゲスト:亀山恵理子さん(奈良県立大学教員)


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『オーバー・ザ・ブルースカイ』ブルーグラスバンド生ライブ開催!
タトゥー・デザイナーのエリーズとカウボーイに憧れるアナーキスト、ディディエ。突然恋に落ちたふたりは結婚、出産と完璧な幸せを築きあげていくかのように見えたが…。オフビートな男女の愛と絆、激しい生き様を描く本作を彩るのは、全編に流れる音楽“ブルーグラス”。映画に合わせて、人生の喜びと哀しみを歌うブルーグラスの生ライブを開催します!

◎5/31(土) 19:10の回上映前(約30分のライブ終了後映画上映となります)
出演:秋元慎バンド
   秋元慎(マンドリン&ボーカル)
   広田みのり(ギター&ボーカル)
   村片和彦(バンジョー)
   秋元さゆり(フィドル&ボーカル)


それではご来館お待ちしております。

(さいとう)
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さて、今回のシネクラブ、恒例のスイーツ紹介です。

私、頑張って作って来ました、シナモンロール。
『旅人は夢を奏でる』→北欧→シナモンロールです!!!
みなさんに美味しく食べていただきました。感謝です。

それでは、『北朝鮮強制収容所に生まれて』の話題から。
「全く違う価値観のもとで育った主人公。
脱北をしても、決して韓国を素晴らしいとは思わない、
と言うところにリアリティを感じた」
「母と兄を密告し、彼らが処刑されてもさほど何も感じない、というのは、
自分は正義を行った、という気持ちがあったからだろう。
私たちが考える、親子の情、というような
感情を育てることができない世界なのかもしれない」
「アニメの再現シーンは意図的にイメージを暗くし過ぎているようで違和感があった」
などの意見が出ました。

その話の流れで、やはり北朝鮮を考える上で
『シネマパラダイス★ピョンヤン』とあわせて見る方がいいのでは、
という話になり、お題ではありませんがそちらの話題に。

『シネマパラダイス★ピョンヤン』
「抗日戦争の軍隊シーンで、演出家が本気でやれ、と言うのに若者がピンと来てない。
エキストラの爺さん達もそれを嘆いてるのがおもしろい。
北朝鮮でも若者は年寄り世代とはかなり感覚が違う」
「若い人たちは、将軍様のため、と言いながら
本当は自分の夢を叶えたい、綺麗になりたい、という願望で動いてる。
若者はどこの若者にも通じる感覚もってる」
「この映画は全部当局がOKを出したシーンを使ってる。
例えば撮影中停電になるシーンなどは、当局は見せたがらなかった。
それでも、若者の感覚の違いが垣間見られるシーンなどをOKしてるのは、
自分たちにも多少自由を許容する姿勢ある、と見せたかったからか?」
「89年のポーランド映画『金日成のパレード』を思い出した」
などの感想がありました。

続いて、『グロリアの青春』。
これはかなり賛否の分かれた作品でした!
「青春、というタイトルだからといって、
出会いがあり、そこから何か成長がある、というわけではない。
ラストシーンは彼女がまた同じ事を繰り返すのを暗示しており、暗い気持ちになる」
「世代的に、73年のチリ・クーデター時に青春を送った世代。
なのに今は男を求めるしか能がないのか?
もっと他の事にエネルギーを使え、と言いたい」
(ちなみにこれはグロリアと同世代の女性の意見です)
など、否定派からはかなり辛口の意見が。
一方肯定派は、
「不甲斐ない男をモデルガンで撃つところがスカッとした。
最後は一人で生きていく、という選択に希望を感じた」
と同じ映画でも正反対に捉えているところが面白かったです。

『旅人は夢を奏でる』
「あのお父さんはかつて左翼のカリスマ的存在で、
でも銀行強盗まで犯してしまい、国にいられなくなった、という設定。
主人公の実の母が共産党員、という描写もあるし。
ドイツ赤軍などと同じ時代の話。その辺りの背景が効いている」
「お父さんはアナキスト。
監督はこれまでの作品を見ると歌や踊りが持つ力を信じている人で、
彼がそれを体現していた」
お父さん、子供を捨てて出て行った、
というところに最初は嫌悪感を感じるけど、
どこか憎めないおもしろいキャラクターでしたね。

『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして』
今井さんのトークも面白かった。
「映画は監督が一生懸命撮っているのが伝わって好感がもてた」
「流行りに乗っかって今話題のテーマで撮る、ということではなく、
自分が高校生の頃から興味をもっていた内容を追っているところがよい」
「例えばファルージャでの新生児異常を紹介するシーンなで、
取り上げるべき症例がちゃんとしている。
監督も勉強しているだろうし、専門家に相当検証してもらっているのでは」
「今井さんと高遠さんの精神力の強さに感動した。
普通なら、そのままダメになってしまってもおかしくないくらい、世間からひどく糾弾された。
それを乗り越えて、各自の進む道をいっている」
などの意見がありました。

さて、次回のシネクラブは以下のとおりです。
たくさんのご参加をお待ちしています!

元町シネクラブ Vol.8
◎日時:6/15(日) 13:30~15:00
◎参加費:200円(会場費、お茶代)
◎お題映画:『アクト・オブ・キリング』(元町映画館で5/24~6/13上映)
『ダブリンの時計職人』(元町映画館で5/24~6/6上映)
『バチカンで逢いましょう』(元町映画館で5/31~6/20上映)
『オーバー・ザ・ブルースカイ』(元町映画館で5/31~6/20上映)

(S/N)

皆さまこんばんわ~
5月のハイテンション映画祭、興奮も冷め止まぬ中
もうすぐ6月を迎えます。熱い夏ももうすぐそこですね。

それでは今週のスケジュールをお伝えします。

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5/24~5/30までの上映スケジュール


『アクト・オブ・キリング』 2012年/デンマーク・ノルウェイ・イギリス/121分

10:30~12:40
19:00~21:10

『ダブリンの時計職人』 2010年/アイルランド・フィンランド/94分

13:00~14:35

『醒めながら見る夢』 2014年/日本/107分

14:50~16:45

『シネマパラダイス★ピョンヤン』 2012年/シンガポール/93分

17:00~18:40

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これが悪の正体なのか-『アクト・オブ・キリング』

東京でも公開され、既に沢山のところで絶賛の声が上がっている話題作。
『アクト・オブ・キリング』がついに神戸にて公開。
これが“悪の正体”なのか――。60年代のインドネシアで密かに行われた100万人規模の大虐殺。いまも“国民的英雄”として暮らしているその実行者たちにキャメラの前で虐殺を再演させた異色のドキュメンタリー。



『ダブリンの時計職人』スペシャルトークショー開催!

職を失い、家も失い、駐車場でのホームレス生活を余儀なくされた元時計職人フレッド。不器用な大人たちの人生の再生を描く、ほろ苦くも暖かいお話。この映画の舞台となったアイルランドでは2008年以降失業者が激増しています。その現状はどうなっているのか。アイルランド文学者の風呂本武敏さんに、映画の背景にある社会事情についてお話していただきます。



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それでは今週末も皆さまのご来場お待ちしております!

(栞)

5/26当館で公開された『シネマパラダイス★ピョンヤン』
この公開を記念してこの映画のパンフレットに寄稿もされている京都大学教授の小倉紀蔵さんのトークを開催しました。
今回の映画は北朝鮮の映画ではありません。
シンガポールのドキュメンタリー作家ジェイムス・ロンさんが撮った6年間の長い取材から一本にまとめた映画です。

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「余韻はそれぞれの方に味わって頂きたいけれども、議論をしてみたくなる映画だった。」と語る小倉さん。

小倉さんがこの映画を観るのは3回目で、通して観て判った事は
どうして北朝鮮という国が今も成り立っているのか、残っているのかという事。

劇中、北朝鮮のベテラン監督が役者に指導します。
「ありのままの君じゃダメなのだ。全てを演じなさい。」と。
これはつまり、国家を消滅させないための、国家の根本的な思想を演じるということ。
日本にとってこの感覚は縁遠いものだし、若い人もうそ臭いと感じるかも知れません。

しかし北朝鮮という国家は過去の日本、大日本帝国時代をかなり模倣しようとした国です。
どうして日本の隣に朝鮮半島があり、北朝鮮という国があるのか。
「北朝鮮をどうみるかという事は、私達日本社会をどう見るかという事と、強くリンクしている事だ」と小倉さん。

60年代の日本政府、左翼の人だけではなく、リベラル派、世論、知識人たちも
北朝鮮を地上の楽園、天国だと賞賛していました。
当時は共同体を大切にする社会主義ような思想だったからです。
80年代には廃っていったそんな流れはなくなり、今の日本はどう思っているのか。

一つは完全否定。
なぜならそこには自由はないし、人権も滅茶苦茶。
経済が破綻し、核、拉致など問題が山積みの暴力的な国家。
北朝鮮に対するいいイメージはひとつもありません。

しかし北朝鮮、そして日本社会というものを平行して見てきた小倉さんは
この国家にも何か賞賛すべき軸があるのではないか、と思えてきたそうです。
もちろんすべてを肯定するわけではありません。

小倉さんは今現在の日本社会は壊滅的な状態にあると言います。
それを救う軸も人も術もないと。
しかしそれに対して北朝鮮という国家は
自分たちの事は自分たちで考えようとしている国であると。
そこが根本的な魅力であると。
アメリカという国の経済軸を見本にするというモデルに対する、もうひとつの軸に成りえてたかもしれない。
ただそれに成功をしていない。経済もことごとく失敗している。
しかしそれでも自分たちの国は自分たちでつくろうとしている国家。

今の日本社会は個人を慮る事を主流としています。
あなたという個性が、ただそこにいるだけで、あるがままの姿でいるだけでいいんだ。
そういった風潮です。
これに対し北朝鮮は個人というものはそこにいるだけでは意味がないと言っている。
あるがままではダメなんだと言っている。
国家を変えるためには自分を変えていかなければいけないのだと。

大きな理念を持って自主的に個人を変えていこうとする。
そこが魅力的で賛同できるひとつの軸であるとおしゃっておりました。

この後、予定時間を大幅に超え、トークに来られたお客様との
約二時間にもおよぶ議論。また映画を見に来られた若い学生の方々の感想会がありました。
知識量が豊富な小倉さん、お客さんの素朴な疑問にもすらすらと答えておられました。

若い方から見た映画の感想は
今までに見たことがない北朝鮮の一面が見れた事が印象的だったと意見が多々ありました。

「中学校みたいな雰囲気で、ちょっとふざけたりしたりしても一生懸命で、
実は私たちよりも生き生きしてるんじゃないかと、うらやましい面もあった。」


「北朝鮮に対する悪いイメージが多く、すべて疑って映画を見てやろうと思ったけど、
兵士の人は機械的なものじゃなく、恥ずかしがったり、笑ったりと私たちとおなじような人間だったということが分かった。」


この映画は国の検閲を受けてもちろんシーンも選別されてあります。
しかし表情の裏にある感情はそのまま感じ取れます。
普段マスメディアが報道していないお茶目な一面が見れる事ができるのです。

『シネマパラダイス★ピョンヤン』は5/30まで上映中。
スケジュールはこちらから⇒

小倉先生、今回トークショーにお越しくださったお客様
ありがとうございました。

(栞)



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