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細かいエピソードや小道具なんかは、
インサイダーの知識・経験に基づいて、
ある程度以上に正確に描かれているのでしょうが、
決してマニアもの、内幕ものにとどまる映画ではありません。

むしろ現代の、普通の、
夫婦生活の哀歓、友情というより同僚関係、
芸術家というより一種の技術を志す
男女青年の修行譚や師弟関係を、
「落語」という(たとえば酵素免疫学的
微量定量法の研究開発の世界、とかよりは)
比較的よく存在の知られた世界を背景に
描いた映画であることに好感が持てました。

たぶんどんな世界の生活にも、
きわめて現実的な面とやたらと(外部からは)
シュールに見える面とがあると思います。

rakugo1.jpg

おかみさんを演じる田畑智子さんが、
メリハリの利いた「過剰」な演技をすることで、
それら両面の境界に
きれいな折れ目をつけてくれています。

この監督さん、噺家さんなんでしょうか。
この先、落語の世界を離れた映画も
撮ってくれないかな、と思います。

(堀)

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作中常に、
非常に印象的なかたちで映し出される
アナの大きな黒い瞳(特に映画館での見開かれた瞳!)の中では、
まだ現実と物語、生者と死者、人間と精霊、
敵と味方、幻想と実体験の間に何の隔てもありません。

mitsubachi5.jpg

だからアナには、
たとえば人間を諸臓器に還元して説明しようとする
理科の授業には、あまり関心がもてないでいるのでしょう。

それにしても、あの学校に集まってくる大勢の子どもたちが
ロングショットの中につぎつぎに入ってくるのに、
あの瞬間アナだ!ってわれわれが気がつくの、なぜですかね…

大人の眼には見えないものが確かに見えていた時代の記憶は、
多かれ少なかれ誰にでもあります。

しかし多くの場合、分析的な言葉や陳腐な表現は
その姿をすぐに歪めてしまうので、
その経験を他人と分かち合うことはとても困難です。

「ミツバチのささやき」は、
少女の瞳の一瞬の翳りや輝き、
風景をとりまく色調の微細な時間的変化を捉えること、
つまり映画にしかできない技法を通じて
わずかにそれを可能にした稀有な芸術作品であって、
だからこそすでに半世紀近くにわたって
広く愛され続けてきたのだろうし、
これからも愛され続けていくのだろうと思います。

(堀)

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どこが良いとか
なにが好きとか

ちっとも説明できないけれど

自分にとって
いつも特別な存在でいつづける

わたしにとって
『エル・スール』はそんな映画だ。

どこかで上映していると聞くと
かならず足を運んでしまう

そのタイトルを
その人の名前を
ワンシーンを
目にするたび

不意を衝かれたように
瞬間、鼓動が大きくなる

そうそれは、恋にも似た。

交わされるすべての言葉が、
すべての所作が、
スクリーンに映るすべての事物が、
なぜだか自分にとって特別で。

女性にとって
思春期というもの
その一時期がじぶんに与える影響は
とてもとても大きいのだと思う。

主人公の名前〈エストレリャ〉はスペイン語で「星」。

elsur5.jpg

彼女の指でちいさく光る指輪のように
永遠に胸のなかでささやかに光りつづける映画です。

この指輪、なんで六芒星なのかな。
意味あるのかな。ないのかな。

(mirai)

あれ?

みなさんあまり見に来られてませんね。
監督さんがトマス・ヴィンターベアさんなのに?
それだけでこーしちゃおれん!となるはずなんですが。。。

ラース・フォン・トリアーさんの『アンチクライスト』
うちでご覧になった方は是非どうぞ。

ヴィンターベアさんはトリアーさんの弟子というか、お友達というか。
トリアーさんと一緒に95年に提唱したドグマ95の第一作目を飾ったのも
ヴィンターベアさんの映画だし。

trier_and vinterberg
トリアーさん(左)とヴィンターベアさん(右)

その長編デヴュー作『セレブレーション』は
カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞!
2作目の『ディア・ウェンディ』は
これまた脚本がトリアーさんです!

これがメチャメチャ面白いアクションもの(?)
になっており、度肝を抜かれますよ。
10メートル先のお店に行くだけで30分ほどかかる(!)
凄いアクションで、見ている方が汗をかくぐらいの面白さです。
アメリカのどこか寂れた炭坑町という設定も
『ドッグヴィル』のようであります。
機会があれば是非ご覧下さい。
おもしろイチオシ作品でございます。

で、そんなサイコーな監督の作品なので、
私はヴィンターベアさんなら見るまでもなく
元町映画館で上映決定!と決めました。
で実際見てみてどうかという事は、言わずもがなでございます。

やはりサイコーであります(言うんかい!)

シリアスなものから、アクションから人間ドラマと
何でもこなせる監督さん。是非。

ちなみにデンマークアカデミー賞では
スサンネ・ビアさんには賞が1つしかなかったですが、
ヴィンターベアさん(本作)は5つも賞を獲っております。

(おもしろ)

幼かったころの少女にとって、
お父さんはずっと当たり前にスーパーヒーローなのでした。

でもある日はじめて、
お父さんの便箋にお母さんではない誰か、
美しい女性のポートレイトと、
「IRENE」という名前が書かれていることに気づくのです・・

自分を取り巻く世界が安定した完全な存在ではなく、
複雑で容易には理解できない、
矛盾と苦しみに満ちたものであることを知るにいたる、
少女の成長の物語なのですが、
それは観客にとっても、
一見身勝手なぼんぼんのようにみえる父親の背景に、
人間にとって避けがたい挫折や悔恨、
それも「考えの違い」によって親しい人々が沢山死んでいった
内戦の時代におけるそれ、のあることを
気づかせられる過程でもあります。

私たちもまた、あの少女のように、
親しい人の人生や人格の背景を理解するために
胸を膨らませえ旅立つことができるようでありたい、と思います。

(堀)

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